還り温度制御弁「Eco-V」は、ファンコイル（以下、FCU）空調における
過流量を防止し、往・還の温度差を補償するツールです。
FCUの出口温度を制御することで、設計基準水量以上に流れてしまう
無駄を防止し、水搬送動力を大幅に低減します。
また温度差を確保して1次側に戻すことができるため、
蓄熱槽システムや地域冷暖房など、熱源運転の高効率化を実現し、
システムCOPを向上させます。

近年、導入されているVAV、ファンインバータ制御、大温度差搬送システム、
熱源ポンプの台数制御やインバータ制御などは、 熱媒である冷温水の温度差が
「設計どおり確保」され「一定であること」を前提としていますが、
現状はそれを実現できていない例が多いです。

冷温水を熱源とした空調システムの中でも、強/中/弱の3段階で
風量制御されるFCUは、 低負荷時には弱風運転になるという特性から、
熱交換能力が大幅に低下します。
2次側で十分に熱交換しないまま1次側に戻ってしまうと、搬送動力が無駄に
なるだけでなく、熱源（熱源機、熱交換器、蓄熱槽、地域冷暖房）の
運転効率にまで悪影響を与えてしまいます。

FCUコントローラからの信号で動作し、弁内蔵センサで還り水温制御を
行います。
室温制御と連携を取りながらバルブ側で比例制御するため、過流量を
防止するだけでなく 年間を通して、往・還りの温度差を確保します。

コミッショニング対応機能を搭載したFCU二方弁です。
これまでのFCU空調のコミッショニングの対象は、室温や設定温度、
風量のみでしたが、「Eco-V」はバルブ開度，還り水温を出力することができます。

　※中央監視から設定・計測する際は、
　 　FCUコントローラ（LONWORKS対応）をご使用ください。

スプリングリターンの熱動グローブ弁のため、
ウォーターハンマーや締切時の水切音が抑えられ、静音性に大変優れています。

LEDランプが搭載されており、弁の外部から動作状態が分かります。
またメンテナンスの際は、部品単位で交換できる構造になっています。